銀行預金だけだとお金が増えにくい理由とこれからの備え方

bank deposit

「お金は銀行に預けておけば安心」——僕たちは子どものころから、なんとなくそう教わってきた気がします。たしかに、銀行預金はとても身近で、使い慣れた仕組みです。けれども最近、「預金だけではお金が増えていかない」「これからは投資も考えたほうがいい」といった話を耳にして、不安になっている方も多いのではないでしょうか。僕も、お金の勉強を始めたきっかけは、まさにこの「預金だけで本当に大丈夫なのだろうか」という漠然とした心配でした。この記事では、なぜ銀行預金だけだとお金が増えにくいと言われるのか、その理由をやさしく整理し、これからの備え方について一緒に考えていきます。

目次

いまは「低金利」が長く続いている

まず押さえておきたいのが、金利の話です。金利とは、お金を預けたり借りたりするときに付く「利息の割合」のことです。銀行にお金を預けると、その金利に応じて少しだけ利息がもらえます。

かつての日本では、預金の金利がもっと高い時代もありました。当時は「預けておくだけで、それなりに利息が増える」という感覚が成り立っていたのです。ところが、現在は長く低金利の状態が続いています。普通預金の金利は非常に小さく、たとえば100万円を1年間預けても、受け取れる利息はわずかしかありません。預金そのものが悪いわけではないのですが、「預けておけば自然と増えていく」と期待するのは、いまの環境では現実的ではなくなっているのです。

この「銀行に預けてもほとんど増えない」という感覚は、多くの人が共有しているものです。くわしくは銀行預金だけだとお金が増えにくい理由とあわせて、お金の置き場所について考えてみるとよいでしょう。

インフレでお金の「価値」が目減りすることもある

低金利と並んで知っておきたいのが「インフレ」です。インフレとは、世の中の物やサービスの値段が、全体としてだんだん上がっていく現象のことを言います。ニュースで「物価上昇」という言葉を聞くことが増えましたが、これがまさにインフレです。

インフレが、なぜ預金の話と関係するのでしょうか。ここで大事なのは、お金の「金額」と「価値」を分けて考えることです。たとえば、今100円で買えるジュースがあるとします。数年後に物価が上がって、同じジュースが120円になったとしましょう。あなたの財布の中の100円は、金額としては100円のまま変わりません。けれども、その100円ではもうジュースが買えなくなっています。つまり、お金の金額は減っていなくても、「実際に買えるものの量」=価値は下がっているのです。

これが「インフレで現金の価値が実質的に目減りする」という話の正体です。預金に置いたお金は金額としては減りませんが、物価の上がり方が預金の金利を上回ると、実質的には少しずつ買う力を失っていく可能性があります。預金は「減らない」ように見えて、その価値はゆっくり変化していることがある——この視点を持っておくと、お金との付き合い方が少し変わってきます。

預金の本当の役割は「増やす」ことより「守る」こと

ここまで読むと「預金はダメなのか」と感じるかもしれませんが、そうではありません。大切なのは、預金には預金にしかできない役割がある、と理解することです。

銀行預金の最大の強みは、安全性と使いやすさです。預けたお金の金額が値動きで減ることはなく、必要なときにすぐ引き出せます。急な出費があったとき、まとまったお金がすぐ手元に用意できるのは、預金ならではの安心感です。つまり預金は、お金を大きく「増やす」ための場所というより、お金を安全に「守り」、いつでも使える状態に置いておくための場所だと考えると、その役割がはっきりします。

問題なのは「預金だけ」にすべてを集中させてしまうことです。守る力は強いけれど増やす力は弱い——この特徴をふまえずに、全財産を預金に置いたまま「これで安心」と思い込んでしまうと、インフレの影響をそのまま受けてしまうおそれがあります。

「増やす」には別の手段を組み合わせる

では、お金を増やす力を持たせるにはどうすればよいのでしょうか。ここで登場するのが、預金とは別の手段、つまり「投資」という選択肢です。投資とは、お金に働いてもらい、長い時間をかけて育てていくことを目指す方法です。

ただし、ここははっきりさせておきたいところです。投資は、預金と違ってお金が増えることもあれば減ることもあります。利益が約束されているものではありません。「預金より増えるらしいから」と安易に飛びつくのではなく、値動きがあるという性質をきちんと理解したうえで、無理のない範囲で取り組むことが前提になります。

初心者がいきなり大きな金額で始める必要はありません。少額からコツコツ積み立てていく方法もあります。その考え方は月1万円から始める積立投資でくわしく紹介しています。また、投資を後押しする非課税の制度として新NISAなどがありますが、こうした制度はルールが改正されることもあるため、利用を検討する際は金融庁などの公式サイトで最新情報を確認してください。制度の概要は新NISAとはもあわせてどうぞ。

預金と投資は「役割分担」で考える

ここまでの話を整理すると、「預金か、投資か」という二者択一で考える必要はない、ということが見えてきます。大切なのは、それぞれの得意なことを生かして役割分担をすることです。

預金は「守る」担当です。急な病気やケガ、収入が一時的に減ったときなど、いざというときにすぐ使えるお金は、値動きのない預金に置いておくのが安心です。こうした、いざというときのための備えは「生活防衛資金」と呼ばれます。一方、投資は「増やす」担当です。当面使う予定のない余裕資金を、長い時間をかけて育てていく役割を担います。

つまり、すべてを預金に寄せるのでも、すべてを投資に回すのでもなく、自分のお金を「守る部分」と「増やす部分」に分けて考えるのが現実的です。守りの土台があるからこそ、増やすほうの取り組みも落ち着いて続けられます。生活防衛資金の具体的な考え方は生活防衛資金とはを読んでみてください。

初心者がまず踏み出す第一歩

「預金だけでは足りないかも」と気づいたあと、いきなり投資に飛び込む必要はありません。初心者が踏むべき順番には、おだやかな道すじがあります。

  • まず、毎月の収入と支出をざっくり把握して、自分のお金の流れを知る
  • 次に、いざというときに備える生活防衛資金を、預金で少しずつ確保する
  • その土台ができたら、当面使わない余裕資金の一部で、少額から投資を始めてみる

この順番が大切なのは、土台のないまま増やすことだけを急ぐと、急な出費のときに投資を取り崩すはめになり、落ち着いて続けられなくなるからです。僕自身も、最初は「早く増やさなきゃ」と焦りましたが、まず家計を整え、守りのお金を用意してから少額で始めたことで、気持ちにゆとりを持って続けられています。

まとめ

銀行預金だけだとお金が増えにくいのは、長く続く低金利と、インフレによって現金の価値が実質的に目減りすることがあるためです。とはいえ、預金は「安全に守り、いつでも使える」という大きな役割を持っています。問題は預金そのものではなく、すべてを預金だけに集中させてしまうことです。お金を「守る部分」と「増やす部分」に分け、預金と投資で役割分担をする——この考え方が、これからの備え方の基本になります。まずは家計の把握と生活防衛資金の準備という土台づくりから始め、その先で少額の投資に踏み出してみる。そんなおだやかな順番で十分です。なお、税金や非課税制度のルールは改正されることがあるので、実際に行動する前には公式サイトで最新情報を確認するようにしてください。

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この記事を書いた人

お金の不安をきっかけに、投資と副業の勉強を始めた20代の会社員です。専門家ではなく、読者のみなさんと同じ目線で「はじめの一歩」を踏み出している一人。実際に試したこと・学んだこと・失敗を、できるだけ正直に書いています。

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