「投資を始めてみたいけれど、失敗したらどうしよう」。これは投資に踏み出す前の多くの人が抱く不安だと思います。僕も最初は同じで、損をするのが怖くてなかなか一歩を踏み出せませんでした。ただ、投資初心者がつまずくポイントには、じつはよくあるパターンがあります。先にそのパターンを知っておけば、同じ失敗を避けやすくなります。この記事では、投資初心者がやりがちな失敗を5つ取り上げ、それぞれに具体的な対策を添えて、やさしく解説していきます。
失敗1 ── 生活費まで投資に回してしまう
最初によくある失敗が、本来は手元に置いておくべきお金まで投資に回してしまうことです。投資への意欲が高まると「少しでも多く投資したい」という気持ちが先走り、生活費や近く使う予定のお金まで投資してしまうことがあります。
投資した商品には値動きがあり、必要なときに値下がりしていることもあります。生活費まで投資していると、お金が必要になったタイミングで損を覚悟して売らざるを得なくなり、生活そのものが不安定になってしまいます。
対策: 投資に回すのは「当面使う予定のない余裕資金」だけにしましょう。そのためにまず、病気やケガ、急な出費に備える「生活防衛資金」を別に確保しておくことが大切です。手元の備えがあれば、投資の値動きにも落ち着いて向き合えます。くわしくは生活防衛資金とはを読んでみてください。
失敗2 ── 値動きに動揺して狼狽売りをしてしまう
2つめの失敗は、価格が下がったときに慌てて売ってしまうことです。これは「狼狽売り(ろうばいうり)」と呼ばれます。狼狽売りとは、不安や恐怖から冷静さを失って、慌てて売ってしまうことを指します。
投資をしていれば、買ったときより値下がりして含み損を抱える時期は必ずやってきます。そこで不安に耐えきれず売ってしまうと、その損が確定してしまいます。値下がりは一時的なことも多く、慌てて売ったあとに価格が戻るというのもよくある話です。
対策: 「値下がりは起こるもの」と最初から理解しておくことが、いちばんの対策です。長期で続ける前提なら、短期の値動きにいちいち反応する必要はありません。毎日価格をチェックしすぎないこと、そして「下がったときこそ淡々と積み立てを続ける」と決めておくことが、狼狽売りを防いでくれます。
失敗3 ── SNSの儲け話に飛びついてしまう
3つめの失敗は、SNSやインターネットで見かける「儲け話」に飛びついてしまうことです。「これをやれば簡単に増える」「今がチャンス」といった話は、投資を始めたばかりの人ほど魅力的に見えてしまいます。
しかし、うまい話には注意が必要です。「絶対に儲かる」「元本保証で高利回り」といった言葉が出てきたら、いったん立ち止まってください。投資に「絶対」はありませんし、リスクなく高い利益が得られる話は基本的に疑ってかかるべきです。中には悪質な勧誘や詐欺も紛れています。
対策: 情報源を見極める習慣を持ちましょう。個人の体験談や宣伝ではなく、金融庁などの公的な情報を確認するのが基本です。また、自分が理解できないものには手を出さないこと。仕組みを説明できないものに投資するのは避けましょう。「みんながやっているから」ではなく、自分で納得できるかどうかを判断の基準にしてください。
失敗4 ── 短期で大きく儲けようとしてしまう
4つめの失敗は、短期間で大きな利益を狙おうとすることです。投資を始めると「早く結果を出したい」という気持ちが芽生えがちで、短期の値動きで利益を狙う売買に手を出してしまう人もいます。
短期で大きく狙う取引は、値動きを的確に読む必要があり、初心者にとってはとても難しいものです。うまくいかないと、損を取り返そうとしてさらに無理な取引を重ねる、という悪循環に陥ることもあります。
対策: 投資は「短期で増やすゲーム」ではなく「長い時間をかけて少しずつ育てるもの」と考え方を切り替えましょう。初心者には、毎月一定額をコツコツ積み立てていく方法が向いています。時間を味方につける投資の考え方はインデックス投資とは?初心者が最初に知っておきたい基本でくわしく解説しているので、あわせて読んでみてください。
失敗5 ── 手数料の高い商品を選んでしまう
5つめの失敗は、手数料(コスト)をよく確認しないまま商品を選んでしまうことです。投資の商品には、買うときや保有している間にかかる費用があります。初心者のうちはこのコストを見落としがちです。
手数料はわずかな差に見えても、長く保有するほど積み重なって効いてきます。とくに保有している間ずっとかかる費用は、運用の成果を地道に削っていきます。すすめられるまま手数料の高い商品を選んでしまうと、せっかくの利益が目減りしてしまうこともあります。
対策: 商品を選ぶときは、必ず手数料を確認する習慣をつけましょう。「買うときの費用」と「保有している間の費用」の両方をチェックします。同じような中身の商品なら、コストが低めのものを選ぶのが基本です。手数料は自分でコントロールできる数少ない要素なので、ここを意識するだけでも長期の結果に差が出てきます。
失敗を防ぐ共通の心構え
5つの失敗を見てきましたが、これらに共通する対策を整理すると、初心者が持っておきたい心構えが見えてきます。
- 投資は余裕資金で行い、生活に必要なお金は手元に残しておく
- 短期の値動きに一喜一憂せず、長期で続ける前提を持つ
- うまい話を信じず、公的な情報をもとに自分で判断する
- 自分が理解できないものには手を出さない
- 手数料など、自分で確認できるコストはしっかりチェックする
こうして並べてみると、どれも特別な知識が必要な話ではありません。「焦らない」「無理をしない」「よく確認する」という、当たり前のようでつい忘れがちな姿勢が、初心者の失敗を防いでくれます。投資を始める前の準備や心構えについては新NISAとは?投資初心者にやさしく仕組みを解説もあわせて読むと、全体像がつかみやすくなると思います。
なお、投資にまつわる制度や税金の取り扱いは改正されることがあります。実際に行動する前には、金融庁や国税庁などの公式サイトで最新の情報を必ず確認してください。
まとめ
投資初心者がやりがちな失敗として、生活費まで投資に回す、値動きに動揺して狼狽売りをする、SNSの儲け話に飛びつく、短期で大きく儲けようとする、手数料の高い商品を選ぶ、という5つを紹介しました。どれもよくあるパターンですが、先に知っておけば避けやすくなります。共通するのは、焦らず、無理をせず、よく確認するという姿勢です。僕も損をするのが怖くてなかなか踏み出せませんでしたが、失敗のパターンを知ったことで落ち着いて向き合えるようになりました。これから投資を始める方は、ぜひこの5つを頭の片隅に置いて、自分のペースで一歩を踏み出してみてください。
