投資に興味を持って調べ始めると、必ずと言っていいほど出てくるのが「インデックス投資」という言葉です。初心者向けの方法としてよく紹介されますが、「インデックスって何?」「結局どういうことをするの?」と疑問に思った方も多いのではないでしょうか。僕も最初はこの言葉でつまずきました。でも、ひとつずつ分解して理解すると、インデックス投資はとてもシンプルで、初心者が最初に知っておくと心強い考え方だと分かってきます。この記事では、専門用語をかみくだきながら、インデックス投資の基本をやさしく解説します。
そもそも「インデックス(指数)」とは何か
まず「インデックス」という言葉から説明します。インデックスは日本語で「指数」と訳されます。指数とは、株式市場などの全体の動きをひとつの数字で表したものです。
ニュースで「今日の日経平均株価は…」という言葉を聞いたことがあると思います。これは、日本を代表する多くの企業の株価をまとめて、市場全体がどう動いたかを表した指数のひとつです。世界にはこうした指数がいくつもあり、ある国の市場全体や、世界中の企業をまとめた動きを表すものなどがあります。
つまりインデックス(指数)とは、「市場全体の成績表」のようなものだと考えると分かりやすいです。個別の企業ではなく、たくさんの企業をひとまとめにした全体の動きを示す数字、というイメージを持っておいてください。
インデックス投資とは「指数に連動する投資信託を買う方法」
では、インデックス投資とは何でしょうか。これは「インデックス(指数)と同じような動きをするように作られた投資信託を、コツコツ買っていく投資方法」のことです。
ここで「投資信託」という言葉が出てきました。投資信託とは、たくさんの人から集めたお金をひとつにまとめ、専門家が運用してくれる商品のことです。詳しい仕組みは後で説明しますが、ひとまず「いろいろな企業の株などがセットになった詰め合わせパック」とイメージしてください。
インデックス投資で買うのは、その詰め合わせパックの中でも「指数と同じ動きを目指すタイプ」のものです。たとえば、ある国の市場全体の指数に連動する投資信託を買えば、その市場全体に少しずつ投資しているのとほぼ同じ状態になります。市場全体の成績がそのまま自分の投資結果に反映されていく、というのがインデックス投資の基本的な考え方です。
なぜインデックス投資は初心者向きなのか
インデックス投資が初心者向きとよく言われるのには、はっきりした理由があります。大きく3つに整理してみます。
分散が効いている
指数はたくさんの企業をまとめたものなので、それに連動する投資信託を1本買うだけで、自然とたくさんの企業に分けて投資したことになります。これを「分散」といいます。もし特定の1社だけに投資していたら、その会社の業績が悪くなったときの影響をまともに受けてしまいます。でも分散していれば、ある企業が不調でも別の企業がカバーしてくれることが期待でき、影響をやわらげやすくなります。
コストが低めのものが多い
投資信託を保有している間は、運用してもらうための費用がかかります。インデックス投資で使われる投資信託は、指数に連動させるというシンプルな運用方針のため、この費用が比較的低めに設定されているものが多いのが特徴です。費用は長く保有するほど積み重なるので、低めに抑えられることは初心者にとって心強いポイントです。
手間が少ない
インデックス投資は、企業を一社ずつ調べて選ぶ必要がありません。指数に連動する投資信託を選び、あとは毎月コツコツ積み立てるだけです。仕事や家事で忙しい人でも続けやすく、毎日値動きをチェックして一喜一憂しなくてよいのも、初心者にとって大きな利点です。
投資信託の仕組みをもう少しくわしく
インデックス投資を理解するうえで欠かせない「投資信託」について、もう少し説明します。
投資信託は、多くの人から少しずつお金を集めて大きな資金にまとめ、運用の専門家がそのお金で株式や債券などに投資する商品です。集めたお金をどう投資するかは、その投資信託の方針によって決まっています。インデックス型の投資信託であれば、「決められた指数と同じ動きを目指す」という方針で運用されます。
個人で何十社もの株を少しずつ買おうとすると、大きな資金と手間が必要です。でも投資信託なら、少額でもその詰め合わせパックを買うことができ、結果的に幅広い投資ができます。初心者が少ない金額から分散投資を始めやすいのは、この投資信託という仕組みがあるおかげです。
「長期・積立・分散」という3つの考え方
インデックス投資とセットでよく語られるのが、「長期・積立・分散」という3つの考え方です。投資初心者がおさえておきたい基本なので、それぞれ見ていきましょう。
- 長期 ── 短期間での売り買いではなく、何年、何十年という長い時間をかけて続ける
- 積立 ── まとまったお金を一度に投じるのではなく、毎月一定額をコツコツ買い続ける
- 分散 ── ひとつの対象に集中せず、幅広い投資先に分けることでリスクをやわらげる
この3つを意識すると、買うタイミングに悩んだり、短期の値動きに振り回されたりしにくくなります。とくに積立は、価格が高いときも安いときも淡々と買い続けることになるため、買うタイミングを自分で判断する難しさから解放してくれます。具体的な始め方は月1万円から始める積立投資でくわしく紹介しています。
リスクと注意点 ── 元本保証ではない
ここまでメリットを中心に説明してきましたが、忘れてはいけない注意点があります。インデックス投資も投資である以上、元本保証ではありません。
指数は市場全体の動きを表すものなので、市場全体が下がる局面では、インデックス投資の評価額も下がります。長く続けていれば、買ったときより値下がりして含み損を抱える時期も必ずやってきます。「分散しているから安全」ということではなく、あくまで「一社に集中するよりは値動きの影響をやわらげやすい」というだけだ、という点は正しく理解しておきましょう。
だからこそ、投資に回すのは当面使う予定のない余裕資金にとどめることが大切です。生活費や近く使う予定のお金まで投資すると、値下がりの局面で慌ててしまいがちです。値下がりに動揺して売ってしまうのは初心者がやりがちな失敗のひとつで、投資初心者がやりがちな失敗5つと対策でくわしく解説しています。始める前に読んでおくと、心の準備ができると思います。
また、投資にまつわる制度や税金の取り扱いは改正されることがあります。実際に始める前には、金融庁などの公式サイトで最新の情報を確認してください。
まとめ
インデックス投資とは、市場全体の動きを表す「指数」に連動する投資信託を、コツコツ買っていく投資方法です。1本買うだけで自然と分散が効き、コストが低めのものが多く、手間が少ないことから、初心者向きの方法としてよく紹介されています。「長期・積立・分散」という3つの考え方を意識すれば、値動きに振り回されにくくなります。ただし元本保証ではなく、市場全体が下がれば評価額も下がるため、余裕資金の範囲で取り組むことが大切です。僕も最初は「インデックス」という言葉に身構えましたが、分解して理解すれば決して難しくありません。まずは仕組みをつかむことから始めてみてください。
